毎年あちこちで滑っていると、そのうちだんだん満足できなくなってくる。「ふかふかの深雪に埋まりたい」「超弩級の急斜面を降りてみたい」「でっかいクリフを飛んでみたい」と、思いは募るばかりである。ようするにスキー雑誌の見すぎだという話もあるが...
しかし日本国内でこんな欲求を満足させることのできるスキー場は限られているし、天気(雪)にも恵まれなければいけない。
そこで目は海外へと向けられる。とてつもなく広いエリア、日本離れした(当たり前)景色、ロープの張っていない危険地帯。まるで天国のようではないか。
というわけで学生の特権を生かして2週間の休みを調達し、カナダへ遠征した。
一口にカナダといっても、当然いくつもスキー場がある。ウィスラーが特に有名だが、今回はバンフというところへ行って来た。なぜかというと、こっちの方が安かったからである。(^^;
いずれにしろ、非常にメジャーなスキー場だからガイドブックには必ず載っている。オンラインでの情報収集も可能で、'Ski Banff/Lake Louise' あたりを覗いてみると、イベント情報などが出ていたりする。ところで、この Ski Banff/Lake Louise というところ、何屋さんなのかよくわからない。旅行代理店のようなものだろうか?町中に小さな事務所があって、バンフエリアのスキー場の共通1日券を発行しているところである。
この共通券はシステムがちょっと変わっている。1日券の引換券が何枚かあって、有効期間内ならいつ使ってもいいようになっている。だから天気が悪い日でも無駄にならない。何日券というよりも、1日券の回数券といった感じである。ちなみにこの共通回数券はスキー場では買えないので注意が必要だ。
さて、前置きはこれくらいにして、スキー場での写真だ。
(1)
後ろのほう見てもらうとわかるように、山というよりは岩山だ。さすがはロッキー、あなどり難しである。看板があってロープが張られているが、カナダの場合、ロープの向こうはマジでやばいので絶対に行ってはいけない。自分の責任云々...以前の、本当の危険地帯である。地図で確認してみたところ、ロープの向こうは正面の山のような断崖絶壁らしい...
で、何をしている写真かというと、まず、手に持っているのは雪の固まりである。この付近は樹林限界を超えた所なので非常に風が強い。で、積もった雪の表面が冷えて固まって、柔らかい雪の上に氷が張り付いたようになる(ウインドクラスト)。このようになった雪面をストックでガシガシくり抜くと、板のようになった雪の固まりがバコッとはずれる。どっかのスキー雑誌で、丸く切り取ったヤツを「ピザ」とか言っていたので、まねをしてみた。写真はピザに食いついているところである。
(2) (3)
ここら辺は雪が堅い上に、斜度がそれなりなので、転倒してしまうとかなり下の方まで転げ落ちることになる。板が上の方に取り残されていたりするとかなり面倒だ。
ちなみに、黄色い方が私で、青い方が一緒に行ったK氏である。K氏の方がスキーが上手く写真が下手なので、私のかっこいい写真は少ない。
カナダでぜひやってみたかった事の一つに「クリフジャンプ」がある。日本のスキー場では絶対にやらせてもらえないし、そもそもクリフ自体がほとんど存在しない。しかし、カナダでは山が岩山なので、ちょっとした崖が豊富に存在し、スキー場もこういった趣味には寛容なので飛び放題だ。向こうの人達は結構ワイルドで、50くらいのおじさんが奇声を上げながら飛び降りてたりする。プールの飛び込み台のノリだ。
(4) (5)
これくらい大きいクリフになるとワイルドな現地人でも飛ぶ人は少ないらしく、リフトから喝采を浴びてしまった。変な日本人が変なところばかり滑って(落ちて)いるので、結構注目されていたようである。
天気が良くて雪はあまり降らなかったので、パウダーはあまり滑れなかった。しかも、みんなが先を争って深雪をつぶしにかかるので、隅の方でもほとんど残らない。林の奧で見つけた貴重なパウダーポイント(とはいっても大して積もっていないが)での写真がこれ。
(6)
今回のベストショット。素人撮影ではこれくらいが限界である。
それにしても、スキーの写真は難しい。理由としては撮れるような場所が結構少なくシャッターチャンスが以外に少ないとか、とる方の場所を確保するのが一苦労だとか色々ある。その中でも一番苦労するのが、雪が明るすぎて全部逆光気味になってしまうことである。コンパクトカメラのフラッシュを焚いた程度では焼け石に水で、人物はほとんど真っ黒けである。で、それをそのまま写真屋に渡すと逆光補正のつもりか、かなり明るめに焼いてくれるので、今度はせっかくの雪面が真っ白にとんでしまって面白くもなんともない写真になる。クリフジャンプの写真が、崖が真っ白だったら何の写真だかさっぱりわからない。「濃い目に焼いてくれ」と指定すればある程度はマシになるが、元々とんでしまっている物はどうにもならない。この手の写真をきれいに撮るこつを知っている方がいたら、ぜひ教えていただきたい。
ファイルサイズを小さくしたので文字はほとんど判別不可能だが、写真を撮ったエリアはわかっていただけると思う。ここで紹介した写真のロケーションはどれも◆◆マークだが、人も少なく雪も良いのでおすすめポイントだ。詳しく知りたい方はガイド本等も参照していただきたい。
レイクルイーズ
サンシャインビレッジ